2008-02-16

design addictを読んで

1.
まず、卒業設計が終了しました。
写真をまだ撮っていないこともあり、UPはもう少し先になると思います。
卒業設計は、自分の立ち位置を明白にしたわけでは無かったですが、それでも、”こういう道を行きたいのかもしれない”くらいの指針は見た気がします。
そして、何よりも建築が大好きであるという事が理解出来たすばらしい体験でした。

2.
それでは、今回の題目「design addictを読んで」です。
建築史家である藤森照信氏は、ミースから派生した、抽象へ向かう建築を目指す建築家の事を、「白派」と呼びますが、(例えば、妹島和世・西沢立衛・石上純也等。)このような建築から伊東豊雄氏は離れたと書かれていました。伊東豊雄氏は、仙台メディアテークで完璧な虚・実の曖昧性を作品として提示出来た建築家であり、「白派」の最前線だったはずの建築家である。それが、「白派」から離脱する理由とは何だったのか?
確かに、伊東豊雄氏の近作に「白派」の面影はない。ぐりんぐりん・スパイラル・瞑想の森・多摩美図書館、どれも建築の抽象化よりも自然化を図っているように思う。雑誌にも、伊東豊雄氏がガウディのように建築を作ろうとしていると述べている。
私は、今回の卒業設計で、藤森氏の言う「白派」を作りたいとは全く思わなかったことが明白になった。その時、私はどのような建築を作りたいのかと考えたとき、ガウディはすぐに出てきた。ガウディの建築が好きなわけではないが、合理性から生まれる建築に大変興味を持ったのだ。
私が思うに、建築はやはり「白派」では20世紀のままの建築であると考える。建築の21世紀は、自然化・合理化と素材の探求にかかっていると考える。
最後に、伊東豊雄が離れた今、「白派」の最前線である妹島和世氏も「疲れたら離れる。」と言っているそうである。建築が動き始めている。