2009-04-27

近況報告

今日も日本語です。英語めんどくさいし。。

最近は、まだSolar Decathlon Europe 2010コンペティションをやっています。
冬はじめから始まったこのプロジェクトも、ついに春に突入です。
結局、いろいろ遅れてしまいまして、このプロジェクトが終わるのは6月終わりとのこと。
Wood Programとしては5月半ばで終わらなければならないので、その先からは、サマージョブとして、引き続きやっていくようです。
いくらもらえるのかはクエスチョンですが、今のように無いよりはマシです。

Solar Decathlon コンペティションとは、アメリカで発足した0-エネルギーを目指した住宅郡を作る企画です。
来年、初めてアメリカではなく、スペインで行うことになったことで、フィンランドも参加するとことなったようです。
大きく普通のコンペティションと異なるのは、実施であることと、建築だけでなく、エネルギーやその他技術的な面も含め審査されるという点です。
また、条件として、ソーラーパネルを必須要項としているようです。

今は、1/25模型を作っていて、それ以外の仕事がなかなか出来ない状態です。
反して、受け持っている仕事が非常に多く、時間がほしいといった状態。

3月1日から1週間ほど、スウェーデンとノルウェーに旅行に行きました。
アスプルンド・レヴェレンツ・スヴェレフェーンなどの巨匠作品と若手建築家スノヘッタなどの作品を見学。


最近は、将来どうするか悩み中です。
フィンランドの就職事情は非常に厳しく、なかなか見つからない様子。。
日本も同じ状況が予想されますが、なんにせよ、そろそろ動かないといけない。

2009-04-20

小単位からの建築の可能性

久々に、まじめに建築の話。

最近、常に実施のプロジェクトを考えているのですが、この沼にはまるのも良しと思いつつも(楽しいので)、少し離れてみたくなった。
それで、久々にコンペの結果をチェックしてみたりする。。
長谷工住まいのデザインコンペティションは、一瞬だけ出そうかなと思って考えたりしたので、それなりに課題の理解も深いということもあって、少し真剣にチェックしてみた。

課題内容は「30年後の集合住宅」。

同大学に通う方から、「直感として、高齢化と人工の減少による集合住宅のぬけがキーだね」と言われていたのですが、
まさにそのとおりの回答をしてきたのが、優秀賞に1点「庭と部屋の塔」。
東大の大学院生で、「ぬけ」を「庭」として回答しているのですが、魅力的でイメージとして綺麗で上手だなぁと感心しました。塔にする意味は、ウェブサイトの文章だけでは、少し受け取りづらかったですが、イメージも綺麗で、しっかり考えられているように見えました。
これは、本当に良い回答だと思うのですが、僕が気になったのは、もうひとつの優秀賞と佳作2点です。

優秀賞の∞ファミリーのための集合住宅(前橋工科大学大学院)は、この課題で僕がもっとも多くの人が挑戦するだろうと考えていた、「家族と家」の問題を解いているのですが、僕が全く思いつかなかった、「ファミリー」という共同関係を扱っています。現在の人々は、家族以上の「ファミリー」という共同関係を形成しつつあり、それを許容する集合住宅が必要になるという提案です。僕は、非常に共感できるように思います。確かに、現代の人々は、人と人の問題に非常に重きを置き、他人は他人として、はっきり線を引き、その代わり、知人を非常に愛し、その中で強い共同体を形成していると感じていました。なので、この提案は、僕にとって非常に理解でき、そして良い提案だなぁと、チェックしていてなんだか引っかかった作品でした。おもしろい!

そして、佳作の横国の作品「table family」と大阪市立の「やわらかいいえ、みんなのものおき」。
両作品に共通しているのは、建築ではなくもっと小単位のものから、空間を提案していることです。
table familyは、100mのテーブルが空間を横断し、場所によって、もちろん風景が違い、テーブルによって、空間のゾーニングが行われています。
やわらかいいえ、みんなのものおきは、大きな棚を倉庫のように設置し、そこで起こりうる、もの通じた出来事を空間としてまとめ上げている。
どちらも、空間から建築を展開せず、そのもうひとつ小さなの領域から、「出来事・イメージ」を武器に、建築を展開させている。
この現象が、おもしろいなぁと感じています。

というのも、僕が12月に考えた課題に対する提案も、「棚ともの」が大きなテーマだったのです。
棚が四方を囲み、居住者が好きな場所に「もの」を置けるようになっている狭小住宅。
靴、服、帽子など、その日その日で動く「もの」、植物や写真立てなど、基本的に停滞する「もの」、シャンプーやフライパンなど、その機能を果たす空間特有の「もの」。それらの「もの」が、好きに棚に置かれることで、ゾーニングが出来上がり、緩やかラインで住宅の中の機能を分断し、ある場所では「もの」が共有され、狭小住宅の中で、棚と「もの」を通じて、豊かに空間が広がるという提案でした。

シェルター学生設計競技で、大西麻貴さんと百田有希さんも「大きな食卓」という提案をされていたのも思い出します。
小単位から建築を考えるということに、少しおもしろさと今建築を考えている人たちの中で、少しずつ共有されつつある建築設計の方向性のひとつなのかなぁと感じました。
建築は、本当におもしろいですね。人が生まれてからずっと作られ続け、常に沢山の人たちによって考えられ、工夫され続けているわけですね。
なのに、まだまだ、アイデアは絶えず、人が変わり時代が変わると共に、建築も変わり続けることが出来る。
今日は、また建築が好きになったので、久々に自分の作品の解説を交えつつ、ちょっとだけまじめに建築の話(ただの感想w)をしてみました。

今回、登場して頂いた人達(敬略)

長谷工住まいのデザインコンペティション

シェルター学生設計競技