前投稿において、卒業設計の基本的な説明を行いましたが、今ひとつ自分の課題でありながら理解できていない部分があるのが事実です。
それは、ル・コルビュジエから建築を解放するために、設計者の決定権をある種、断絶させるような手法で空間を作るというような試みを取っているのですが、はたして、そのようにして生まれた空間がどのように建築へ向かうのかといった点です。
私は、空間から建築へ向かうということの持つ意味は、設計者の経験的知識や感覚、試行錯誤によって見つけるネットワーク(沢山の意味での)、より詳細な図面への落とし込み、現場での不具合、等々による空間の研磨(良しとするところまで磨きあげる意味で)が建築へと向かわせると考えます。
しかし、前文で述べた手法では、この行為を行う事が出来ないように思えるのです。なぜなら、設計者の決定権を断絶してしまっているからです。これでは、空間を研磨することは出来ないということになります。
選択は、実に簡単です。それを良しと考え、空間のまま提案し、新しい空間・コルビュジエからの建築の解放のみを提示してしまうか、それとも新たに研磨をする方法を考え、新しい空間から建築へと完成させ、しっかりと提示するのか。
もちろん、後者の方が格好良く胸を張って提示出来るでしょうが、はたして物理的に可能なのかという問題があります。”言うは易く行うは難し”です。
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